2011年4月15日金曜日

赤あざ1

赤あざ①  レーザー治療10年、効果実感できず 「何とかなるって、大丈夫」。札幌市の女子高校生(16)は、楽しみにしていた小学校の運動会の直前に足をねんざした時も、両親に学校の成績を心配される時も、いつも笑顔でこの言葉を返してきた。 小さいころから楽天的な娘のあっけらかんとした明るさに、「随分助けられてきたな」と母(43)は思う。 生まれたときから、柔らかくふっくらした顔の右半分に赤いあざがあった。 「妊娠中におなかをぶつけるか何かしたんでしょうか」と詰め寄る母に、大学病院の医師は「原因はよくわかっていませんが、お母さんのせいでも遺伝でもありません」ときっぱり言った。 赤あざは、青あざと違って皮膚そのものが赤いわけではない。血管内に良性のしこりができるか、血管の形成が異常なために皮膚の表面が赤く見える。異常な血管が盛り上がって出血や神経の圧迫が起きると、視力や知能、運動機能にも影響が出る。 女子高校生のあざは「単純性血管腫」。毛細血管が異常に発達するタイプだ。旧ソ連のゴルバチョフ元大統領の頭のあざと同じという。目や脳内に異常は見つからなかった。 1歳過ぎ、生まれた病院の形成外科であざにレーザーを当てる治療が始まった。血液中のヘモグロビンに反応する「色素レーザー」を使い、異常な血管をつぶす方法だ。幼いころは全身麻酔で照射を受けたが、小学生になると外来での部分麻酔になった。 診察室のベッドに横になり、目を保護するゴーグルを着けると、治療の様子は見えなかった。パシュッ、パシュッという音とともに、針で刺されたような痛みが走った。数分の治療だが、長い時間に感じた。その間ずっと息を止めて体を硬直させ、付き添う母の手につめの跡がくっきり残るほど強く握った。 学校は楽しく、あざがどう見えるかば気にならなかった。けれど、治療から約2週間は、日に焼けないよう外で遊べなかった。衝撃で出血しないよう屋内での体育の授業も休んだ。運動が好きなのに、思いっきり体を動かせないのがつらかった。 あざが薄くなったという実感はなかった。血管が盛り上がってこないことだけを願って10年以上、ほぼ休まずに治療を続けてきた。 中学校に入って環境が変わるのを機に、しばらく休むことにした。

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出典 朝日新聞

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