2011年5月10日火曜日

茶あざ2

茶あざ②  遺伝子変異が原因の難病 千葉県の大学生、永井伸雄さん(23)は中学3年のとき、右腕の骨折をきっかけに骨肉腫が疑われた。腕の茶色のあざが膨らんでできたこぶも、難しい病気のようだった。 都内の大学病院で、骨を詳しく調べたが、悪性の細胞は見つからなかった。折れた骨は自然にくっつき、脳にあった腫瘍のように見えた影も2、3カ月のうちに消えた。 がんの心配がなくなった高校入学の直前、埼玉医大病院皮膚科を受診した。 ひじのこぶ状の腫瘍七、腕や腹部の茶あざを見た倉持朗医師(54)は、紹介元の医師と同じように、レックリングハウゼン病だと思った。MRI画像で、筋肉の中まで腫瘍が入り込んでいた。骨折手術での大出血は、腫瘍があると知らずに切ったためとみられた。 神経線維腫症1型(NFl)とも呼ばれるこの病気は、たくさんの茶色のあざと、皮膚や神経内に神経線維腫という腫瘍ができる。遺伝子の変異が原因で、患者は国内に約4万人いるとされ、根本的な治療法はまだなく、国が難病に指定している。 一般に、幼い頃は茶あざがあるだけだ。腫瘍は5歳~10代半ばに現れることが多く、腫瘍の形状などで4種類に分かれる。永井さんの場合、膨らんで垂れ下がる「びまん性」というタイプだった。中には骨が変形したり、まれに脳腫瘍ができたりする患者もいる。でも、永井さんの場合、骨折や脳で一時的に見えた影との関連は、はっきりしなかった。 倉持医師は「腫瘍が悪性になることはめったになく、取るかどうかは永井くん次第です」と言った。すぐに取らなくても問題はないが、強くぶつけたりしてけがをすると大出血につながりやすい、という。 説明を受けた永井さんは、「取りたいです」と返事した。ひじの辺りにあるこぶは、半袖の服だと大きいサイズを着ても隠せなかった。取れるものなら取ってほしかった。 倉持医師は年間100人以上、NFlの患者を診ていた。「びまん性」の手術では通常、大量の出血が避けられない。腫瘍のなかに異常な血管がたくさんあるためだ。当時、血液の流れをできるだけ止める「塞栓術」をしたうえで神経線維腫を切除する方法が、国内外で何例か発表されていた。まだ一般的ではなかったが、「この方法でやってみよう」と倉持医師は考えた。

超玄米のホームページ
楽天ショップのホームページ
出典 朝日新聞

0 件のコメント:

コメントを投稿