2011年6月14日火曜日

アトピー性皮膚炎を理解する 1

バリア機能

皮膚の役目は人間の体を守る機能
 アトピー性皮膚炎を理解するために、まず必要なこと。それは、皮膚で「何が」起きているかを知ることです。「なぜ」そうした症状が起きるのか、アレルギー体質とどのような関係にあるのかは、のちほどゆっくりお話ししていきます。
 それでは、アトピー性皮膚炎を理解する第1のキーワード「バリア機能」について説明しましょう。
 ふだんは意識することもない皮膚ですが、そこにはとても大切な役割があります。
 たとえば熱い、冷たい、痛い、重いなどを感じるの
も皮膚の役目です。「アチチ」と感じて手を引っ込めるから、ひどいやけどをしなくてすむのです。「やわらかい」「かたい」なども、皮膚を通して脳に伝わります。
 同時に、皮膚は人間の体に欠かせない水分が外に抜け出ていかないよう、守っています。
 そして、なにより大事なのが「バリア機能」。細菌やウイルスなど有害なものを体に侵入させないよう、ガードすることです。
 体内環境をいつも一定にすこやかに保つため、全身を包んでガードする、それが皮膚の役目です。

バリア機能の主役はいちばん上の「角層」
 皮膚は、次ページのイラストのように「表皮」「真皮」と呼ばれる部分に分かれます。
「表皮」は何層もの細胞が、ちょうどお城の石垣のようにブロック状に積み重なっています。いちばん下には「皮膚のもと」になる細胞があり、それが分裂して上っていきます。表皮のいちばん上には角層があり、皮膚はそこから表面に達し、あかとなってはがれ落ちていきます。よくいわれる「お肌のサイクル」ですね。
 でも、角層は「もういらない古くなった部分」「あか」ではありません。実はこの角層こそがバリア機能の中心、ガードの主役です。
 細胞の集合体なので、タオルなどで強くこするとあかや汚れといっしょにどんどん取れていきますが、そんなふうに無理にこすって取ってはいけない、とても大事な部分なのです。

「バリア機能の低下」がアトピー性皮膚炎の特徴
 アトピー性皮膚炎の特徴は、ひと言でいえば、この皮膚のバリア機能の低下です。ガードの主役である角層に、異常が起きているのです。健康な皮膚であれば、角層はとても強固で、ちょっとやそっとの病原菌ならはね返します。ところが、アトピー性皮膚炎では角層のバリア機能が低下したり、うまく働かなくなっています。そのため、細菌やウイルスはもちろん、アレルゲンも体内に侵入しやすい状態になります。
 もともと赤ちゃんや子どもはいろいろな臓器の機能が未成熟ですが、とりわけ皮膚のバリア機能は未熟です。黄色ブドウ球菌(とびひの原因菌)など、大人にはなんでもない菌に感染しやすいのも、一つはこれが原因です。赤ちゃんや子どものアトピー性皮膚炎には、そもそもこうした「バリア機能の未熟さ」が関係しているのでは、とも考えられています。

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