2011年8月9日火曜日

食物アレルギーについて 2

乳幼児に食物アレルギーが多い理由

 食物アレルギーは大人にもある反応ですが、特に0~3才の乳幼児に多いことが知られています。そして、こうした乳幼児期の食物アレルギーは、成長するにしたがって自然に軽くなったり、治ったりします。「アレルギーは体質のはずなのに、どうして?」と思われる方も多いでしょう。
 これは、人の消化機能の発達に関係があります。

不思議な不思議な消化の仕組み
 基本的に、すべての食物は人の体にとって「異物」であり、アレルゲンとしてアレルギーを起こしうるものです。しかし、実際にはほとんどの人がアレルギーを起こすことなく、食物を摂取できています。 実は、人の消化管には、食物でアレルギーを起こさないための仕組みがあるのです。
 食物は口から入って、胃、十二指腸などを通過するうち、胃酸や、すい臓などから分泌される消化酵素の助けを借り、小さく分解されていきます。小さくなって初めて、小腸で栄養として吸収されるのです。このプロセスが「消化(分解)」です。
 たとえば、お米やいも類などの炭水化物はブドウ糖などに、肉や豆腐などのタンパク質はアミノ酸などに分解されます。食物の脂も、脂肪酸などに分解されて初めて小腸で吸収されます。人が食物をアレルゲンと感じないのも、この分解というプロセスのおかげ。食物を、人が栄養やエネルギー源として活用できるかたちに変化させているのです。
 また、栄養を吸収する小腸の粘膜は、こまかい網目状と考えられています。食物を十分分解できなかったとき、つまり大きな分子として残ってしまったものは、ここを通って体内に入ることができません。「消化が悪くて下痢をする」のは、分解が不十分だったため。また繊維質の含まれた食物が便秘にいいのは、人は牛や馬などと異なり、繊維質を消化する酵素がなく、ほとんどが便として出てくるからです。

成長とともに機能が発達、アレルギー反応も解消
 しかし、赤ちゃんはこうした消化の能力が未熟です。消化酵素も十分ではありませんし、腸の粘膜の網目も、大人にくらべて大きいといわれます。つまり食物が十分に分解されず、大きな分子のままで休の中に取り込まれてしまいやすいのです。そして、体の免疫組織がこれを異物としてとらえ、アレルギー反応が起こるわけです。
 またもう一つ重要な点に、人にはこうして消化管から入ってきたものに対し、「体にいいもの」「悪いもの」を見分ける免疫的な能力が備わっていることもあります。これを「免疫学的寛容」 (よいものを受け入れる、といった感じです)といいます。けれど、赤ちゃんはこうした免疫的な判別能力も未熟。やみくもに食物成分を拒否してしまうともいえます。
 ここまでお話しすれば、もうおわかりでしょう。そぅ、赤ちゃんは、こうした消化管の機能すべてが未熟ということなのです。しかし成長するにつれ、こうしたさまざまな機能も成熟し、多少の個人差はありますが、3才にもなれば、それまでアレルゲンとされていた食物を食べても、アレルギー症状が出ないようになる可能性が高いというわけです。

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