2011年3月29日火曜日

アトピー情報2

大人のアトピー④ 入院の末ようやく背筋伸びた埼玉県の荻野美和子さん(31)は、漢方でアトピー性皮膚炎を治そうとしたが、5年半たっても改善しなかった。家族の勧めで2006年10月、東京逓信病院を受診した。皮膚科部長の江藤隆史医師が示した治療は、あれほど嫌ったステロイドの塗り薬を使う普通の方法。「魔法の病院かもしれない」という期待は、すぐに裏切られた。「ステロイド治療は受けません」と言って帰宅した。 だが、迷った。 漢方を居じた5年半を無駄にしたくない一方、「このままでは良くならない」とも感じていた。会社も休みがちで、両親の支えがなければ生活ができない。心も休も疲れきっていた。新しい治寮を探す気力は残っていない。目の前の治療にすがるしかなかった。 覚悟を決め、東京逓信病院に連絡した。 炎症とかき壊しを繰り返した荻野さんの肌は、ゴワゴワに分厚くなり、体液もにじみ出る重症の状態だった。即、入院が決まった。 仕事を休み、10月17日から入院した。朝夕2回シャワーを浴び、上がると看護師が全身に薬を塗る。薬の塗り方や量は、高校生の頃とは全く違っていた。 まず保湿剤を塗り、炎症を抑えるステロイドを肌にたっぷりと乗せて広げた。さらに、傷の治りを助ける軟膏(亜鉛華軟膏)を塗った白い布を重ね、その上に包帯を巻いた。顔には弱めのステロイドを塗った。さすがに恥ずかしくて病院の売店に行けなかった。 数日後、全身にあったひっかき傷が閉じ始めた。パンパンだった手足の腫れも引いた。かさぶたや痛んだ皮膚がはがれて、その下に普通の肌ができていた。 3日目ごろから、背中にはステロイド剤が不要になり、保湿だけになった。顔は、ステロイドより副作用の少ないタクロリムス軟膏に変わった。このころにはシャワーから上がっても、肌がつっぱらなくなった。物を取るために腕を伸ばしても、肌がきしまない。 「みんなこんなに快適な生活をしているのか」としみじみと思った。 8日目に退院した。まだ肌に赤みは残っていたけれど、腫れやゴワつきがなくなり、なめらかな肌に戻っていた。 翌朝から仕事に復帰した。自宅から駅まで約10分。バレエをやっていた頃のように、胸を斜め上に引き上げ、背筋をスッと伸ばして歩いた。もう太陽が怖くなかった。

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出典 朝日新聞

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